滋賀県高島市内の見通しの良い田園地十字路交差点における出会い頭の衝突事故である。
実況見分調書に添付された見取り図と写真を見ると、この交差点に到達するまでは、双方とも相手車への視界を遮るものはなく、A氏車から左方向にB氏車が走行し、B氏車から右方向にA氏車が走行する状態であった。
そして、A氏車はフロント部分に破損が見られ、衝突後は時計回りに回転して停車している。
このようにA氏車の回転を見ると、一般的にはA氏車の衝突速度が高いように見えるが実態はそうではないことを説明する。
B氏車は右側面部が変形し、A氏車は全面部が変形しており、変形部分が凹凸のようにかみ合った状態が生じている。
そして、B氏車の走行力(引かれる力)によってA氏車が回転した事が痕跡から見て取れる。
つぎに、A氏車の重心位置を特定し、運動量保存の式に当てはめ、2つの速度ベクトルを合成すると、結論はA氏車の衝突時の速度は15Km/h及び、B氏車の衝突時の速度は84Km/hと推定する。
なお、田園地帯の十字交差点で、見通しが良いにも関わらずよく出会い頭衝突が発生する原因として、相対速度がほぼ同じ場合には、相手車両が留まって見えるためであるが、本件に関しては相対速度に開きがあるため、それが直接的な事故原因ではないといえる 。
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